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  • 執筆者の写真Hirofumi Inoue

水上バイクにルールを  迷惑行為に悩む唐津市民「声を上げないと」

✓佐賀県唐津市でも水上バイクの迷惑行為が毎年相次いでおり、法整備やルールといった規制を求める声がある。

✓唐津市は市内8カ所の海水浴場ごとに(住民ら)関係者から意見を聞いてルールの方向性を固めるという。ただし、時期は未定。

✓兵庫県明石市や京都府宮津市では独自の対策も。


(所要時間3分)



唐津市肥前町の海岸。リアス式で大小の島々が浮かぶ


 暴走する水上バイクに、全国各地の関係者が頭を悩ませている。今年9月には兵庫県淡路市の沿岸で3人が亡くなる事故が発生するなど事態は深刻だ。マリンレジャーとして人気を集めている一方、一部の傍若無人な振る舞いに眉をひそめる人も少なくない。玄界灘に面した佐賀県唐津市でも早急な法整備やルールづくりを求める意見が相次いでいる。


 「心のよりどころが踏みにじられている」。今夏、水上バイクの危険な航行の実態と心理的な嫌悪感を訴える匿名の手紙が私に寄せられた。市民の憩いの場として親しまれる「西の浜」(佐賀県唐津市)で遊泳客の近くを走ったり、観光スポットである唐津城(同)の近くを大音量で通ったりすることが毎年繰り返されているという。手紙の主は「声を上げなければならない」と事態の深刻さを訴える。


 水上バイクは全長3~4㍍で、水を噴射する推進力で水上を滑走する乗り物。最高時速は100㌔近くに達することもある。操縦には特殊小型船舶操縦士免許が必要だ。スピード感と機動性が特徴で、利用者は増加傾向にあるという。一方、佐賀を含む北部九州4県と山口県を管轄する第七管区海上保安本部管内では毎年10隻前後の衝突事故などが発生しており、大けがを負ったケースがある。


 市議会では、原雄一郎議員(志政会)が6月定例会で問題視した。唐津市によると、夏の期間中は市内8カ所の海水浴場で遊泳区域に入らないよう水上バイクの利用者に求めており、海上保安庁や唐津警察署、地域住民らでつくる「海水浴場安全対策連絡推進会議」で毎年、注意喚起を図るべきという課題が共有されているという。ただ、水上バイクの航行区域は基本的に「自由」(※海岸から約4キロ以内などの条件あり)であるため、利用者側の意識は低いとみられる。唐津市としてNPO法人「唐津湾小型船安全協会」(青バイ隊)に巡視を委託しているが、実態はいたちごっこだろう。唐津市側は8カ所の海水浴場ごとに方向性を固めることを検討していると明らかにした


水上バイクの暴走を巡っては、兵庫県明石市が8月に危険運転を確認した上で神戸海上保安部に刑事告発に踏み切ったほか、海岸に監視カメラを新たに10カ所に設置する方針を示した。また、日本三景のひとつとして知られる京都府宮津市の名勝「天橋立」の周辺では、京都府などが今年7月に速度制限などを盛り込んだ自主ルールを設けた。誰もが安心して海を楽しめるルールや取り組みとは何なのかを考えながら、一部の自治体は対策を講じている。


【私見】

 唐津市はルールづくりに関し「方向性を固めることを検討している」という回りくどい言い方ですが、検討はします。きっと時間がかかるだろうというのが率直な感想です。それぞれの海水浴場ごとに特徴があって個別に関係者から意見を聞くから時間がかかります、というニュアンスがにじみ出ていますね。主張は理解できるので、あとはスピード感をもって取り組んでほしいと思います。死亡事故が起きてからでは遅いですし、天橋立のように数十年も迷惑水上バイクに悩まされているのは看過できません。一方、心ある水上バイクの利用者の権利を不当に奪うのもダメですね。匿名の手紙の主は「唐津の海は大切な観光資源であり、市民の心のよりどころだと思います」としたためていました。私も同感です。


 あ、バイトの時間だ。それではまた。

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