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  • 執筆者の写真Hirofumi Inoue

社会で子どもを育てよう 市長、先進地に「負けない体制とる」  2021年12月定例会一般質問①

更新日:2022年7月15日



【井上】

 最初は、子ども・子育て支援事業の推進の項目です。今回の質問の目的は、子育て支援に関する取り組みの現状や市の姿勢を市民の皆さんと共有することです。

 政府は、子供に関する政策を一元的に担うこども庁の創設を進めています。地方自治体としても、子ども・子育て支援を主体的に進めていかなければいけません。2015年、平成27年度から子ども・子育て支援新制度がスタートし、社会保障制度に子ども・子育てが柱の一つとして位置づけられました。つまり、子供は社会全体で育てるよう制度が変わったということです。社会全体で育てるというのがポイントです。地方自治体は有識者や子育て経験者などでつくる会議を設け、子ども・子育て支援事業計画を策定することでその自治体の特徴を出したり、地域の実情に合わせたりすることができます。

 唐津市は、2015年、平成27年3月に唐津市子ども・子育て支援事業計画を策定しました。この計画の基本理念は、子供を産み育てやすいまちづくりで、基本目標は、1、子ども・子育て支援の量と質の充実、2、全ての子供が健やかに成長できる社会の実現という2つです。唐津市子ども・子育て支援事業計画第2期の計画期間は、昨年度から2024年、令和6年度までの5年間です。最終年度に見直す予定で、来年度に計画としての中間年度を迎えるため、中間見直しを意識して質問します。

 最初に、私のほうからこの計画に基づき子ども・子育てを取り巻く唐津市の環境を説明します。説明するのは、いずれも策定前の2017年、平成29年までの数字で、出生数、出生率とともに過去5年間では減少傾向です。1世帯当たりの人数は3人を下回り、核家族化が進んでいます。働く女性の割合が30代で一旦低くなるM字カーブの谷は緩やかになり、子供がいるほとんどの女性が働きながら子育てしているということを示唆しています。

 2019年、令和元年10月から国の幼児教育・保育無償化の影響と合わせると、人口減による影響を差し引いても保育に対する需要が今後も増加したり、高止まりしたりするでしょう。

 最初の質問です。

 満3歳未満の子供の保育利用を含めて計画期間中に幼稚園、保育所、こども園といった教育・保育施設で利用が見込まれる子供の人数と、その見込人数に対して実際に教育、保育が提供できているのかをお尋ねします。

 また、2019年度、令和元年度まで5年間の第1期計画期間中は、見込人数より実際に利用した人数が年によっては多くなり、年齢別の幼稚園や保育園、こども園の利用区分ごとに見ると数百人規模で開きが出ました。特に保育の現場にしわ寄せが生じた格好です。実際に提供できているのかということと併せて、第2期期間中の利用実績と見込人数の差に大きなずれがないか確認します。

 次の項目は、多くの人にとって分かりやすい言葉を用いることです。

 この質問で一番言いたいことは、特に情報発信やコミュニケーションではお役所言葉をやめて、分かりやすい言葉を使おうということです。さらに言えば、言葉だけでなく、言葉以外の使い方や見せ方も工夫しようということです。

 ある調査会社の調べでは、新型コロナの情報を多く得ている情報源の割合は、テレビやインターネットがそれぞれ4割台に上る一方、自治体は1割未満にとどまりました。全面的に信用はできないものの、分かりにくい言葉や伝え方が住民に敬遠されたことが反映されたかも知れない調査結果として重視すべきです。

 以上、今回の趣旨がお役所言葉をやめて、伝え方も工夫しましょうということでした。ただし、私も今年2月に市議会議員になり、市民や議員、職員の皆さんから一般質問の際の早口を指摘されています。言葉を含めて使い方という点で偉そうなことを言える立場ではありません。また、私は今、所属する会派清風会で議会だよりのような配布物を同僚議員と作っています。その中で、同僚議員から文字が多い、もっと具体的に分かりやすくと注文され、内心は穏やかではありません。したがって、現場にいる皆さんと同じような立場だと思います。自分のことを棚に上げて感情や思いを口にすることが、この質問では多くなることをお許しください。

 最初に、役所が用いる言葉、伝え方が分かりにくいことで生まれる弊害をお示しください。

 以上、1回目の質問でした。


【保健福祉部長】 

 本市では、令和2年3月に第2期子ども・子育て支援事業計画を策定し、認可施設における保育量の見込みと見込みに対する保育の提供量を示しており、本計画に基づいて保育量の確保を行っております。現況を見ましても、令和2年度は利用定員5,173名に対し実利用人数5,069名、令和3年度においては、12月時点で利用定員4,966名に対し実利用人数4,880名という結果であり、市全域では保育量のニーズはおおむね対応できているものと考えております。しかしながら、地域によって利用者の状況が異なることから待機児童が生じている点もあり、全てのニーズに対応できているとは言えない状況でございます。

 また、第2期計画を策定するに当たっては、見込量の算定にニーズ調査及び国のワークシートによる算定に加えまして、平成27年以降の実績データを用いるため、全ての認定区分においてより実態に即した数値を算出いたしております。その結果、第1期計画期間中においては、保育量の見込みを実際の利用者数が上回っていることもございましたが、第2期計画の期間内である令和2年度は利用者数が計画値の範囲内になっている状況でございます。

 以上でございます。


【保健福祉部長】 

 待機児童につきましては、年度当初の4月時点で申し上げますと、平成29年度から20人を超えておりましたが、令和3年度は14人となっております。このように待機児童が減少した要因でございますが、国が待機児童解消を目的として平成30年度より子育て安心プランを策定し、保育所における受皿の整備を推進いたしました。これにより、市といたしましても保育所等の施設整備や保育人材確保に努め、定員増を図ることができたことが主な要因と考えます。

 待機児童が年度内に徐々に増加する要因は、年度途中で育児休業期間が終了し入所希望をされる方が多いためと思われます。このため、年齢層としては乳幼児が多い状況です。

 地域別に見ると、旧唐津管内の保育所の待機が多く、市民センター管内の保育所には空きがあるという状況ですが、通所となると距離的に入所は難しいと思われます。

 施設の規模としましては、定員を増加することは可能な施設も多く、それにより待機を減らすことは可能ではありますが、保育士が不足しているため定員増は難しく、まずは保育人材を確保することが重要な課題と考えております。

 以上でございます。


【井上】

 待機児童は減少しているものの、まだ存在するというご答弁でした。年度初めの4月に基準を統一して説明されるのは、比較しやすいので説明には一理ありますが、ただ、待機児童問題をめぐっては、昨日の青木茂議員の質問でも時期によって保育の需要が生まれるという可能性を指摘されていました。私ならば、年度初めの4月ではなく、各年度のピークを記録した月日や月を調べたり、週や月ごとの推移を見たりして傾向を調べたいというふうには考えます。

 例えば、労働統計では季節調整があり、時期ごとの変化を織り込むことが重要なのは当然です。また、先ほどの答弁では、定員増を図っても保育士不足が障壁になっているということが分かりました。これまで計画の基本目標の子ども・子育て支援の量と質の充実に沿って、量に関して質問しました。

 次は、質に関しての質問です。

 特に保育の質を高めるための取り組みについてお示しください。


【保健福祉部長】 

 保育の質を向上させるには、保育を行う保育士の処遇改善及び業務改善が必要であると考えます。平成30年度から保育人材確保事業を実施し、新規内定の保育士の就職準備金支給、潜在保育士の復帰支援、保育士の支援、補助を行う者を雇用する場合の補助を行うことにより保育士の処遇改善や業務の負担軽減を図っております。

 令和3年度からは、常勤職員のみが対象であった就職準備金を非常勤職員まで対象を拡大し、保育支援者・補助者雇用支援事業の入居要件を撤廃するなど要件の見直しを行い、新たに保育士応援事業として人材確保に取り組んでおります。

 保育士への処遇改善等を行うことにより、保育士が時間的にも精神的にも余裕を持てることで、きめ細やかな保育を行うことが可能となり、保育の質の向上につながるものではないかと考えております。

 以上でございます。


【井上】 保育士の処遇改善と業務改善が重要であるというご答弁でした。私も同意しますが、質を高めるという視点では、研修の機会の提供や各施設への間接的な支援など幅広く捉えてほしいと思います。

 次に移ります。

 計画と事業は車の両輪です。唐津市の取り組みは、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を実施する目的で、母子保健分野と子育て支援分野が一体的にサービスを提供する子育て世代包括支援センターの参考事例として厚生労働省が紹介しており、全国的に優れていると評価されています。このセンターは2016年度、平成28年度に開設され、今は市健康サポートセンター「さんて」の中にあります。妊娠届時の専門職による全数面談や関係機関との連携推進が特徴です。取り組みの詳細についてご説明ください。


【保健福祉部長】 

 子育て世代包括支援センターの取り組みについてご説明申し上げます。事業の取り組み状況でございますが、まず、妊娠届の際に全妊婦や家族と面談を行いまして、妊婦の身体状況や不安などの相談に応じ、必要に応じて関係機関との連携を取り、相談や訪問などを行い、安心して妊娠期を送り出産に臨めるよう支援を行っております。

 また、妊娠期から出産後、子育て期までの継続した切れ目のない支援が受けられるよう支援計画を策定しております。支援計画策定状況としましては、令和2年度は134件でございます。支援計画につきましては、身体に基礎疾患のある方、メンタル面に不安のある方、支援者がいない方、育児に不安のある方など必要な支援が行えるよう、支援の時期や相談、訪問などの支援方法について支援方針を作成しております。

 妊娠届時の面談件数につきましては、届出に来所された全ての妊婦に対し行っておりまして、令和2年度は859件の面談を行っております。

 また、妊娠、出産、子育てに関する悩みなどの相談につきましては、令和2年度は1,335件の相談を受けております。

 家庭訪問につきましては、令和2年度は468件でございます。家庭訪問の際には、体調の確認や支援者の関わりなどの把握、必要な相談先などの紹介、不安なことへの相談に応じております。また、乳児につきましては、体重測定などの発育の確認も行っております。

 妊娠、出産、子育て期におきまして相談などがあった場合は、状況により医療機関や相談機関、子育て支援課、子育て支援情報センターなど他職種と連携し、妊娠期、出産後、子育て期において切れ目のない支援を行っているところでございます。

 以上でございます。


【井上】 各実績の件数を人数や延べ人数として読み替えることができれば、多くの利用者を支えているということが分かりました。

 利用者らを対象とした健やか親子21アンケート調査の、「この地域で今後も子育てをしていきたいですか」という質問に対する回答で、「そう思う」と、「どちらかというとそう思う」の合計が昨年度は96.7%と、ほぼ100%に達しています。成果としてはこれ以上にない数字だと思います。

 次の質問に移ります。

 高い評価を得ているとはいえ、開設から約5年が経過しました。開設当初と現在の課題への対応について、それぞれ教えてください。


【保健福祉部長】

28年度子育て世代包括支援センターの開設当初の課題への対応についてご説明いたします。

 まず、PR活動でございますが、行政放送や保健だよりへの掲載、案内チラシの配布などを行っておりまして、今後も保健だよりなどの掲載を行っていく予定としております。

 次に、周産期メンタルヘルス支援のスキルアップについてでございますが、医療機関や精神保健福祉センターなどの関わりの中での習得や、経験のある保健師とともに事例に関わる機会を持つこと、事例検討会などを通して人材育成を行っております。

 次に、台帳管理、支援計画のシステム化についてでございますが、令和3年度より健康管理システムでの支援計画策定など管理を行っております。

 次に、産前産後サービスの充実についてでございますが、令和2年度より産前産後サポート事業を開始しており、身近に相談できる人がいないなど支援を必要とされる妊産婦及びその家族に対し、定期的な相談や家庭訪問を行っております。

 最後に、産婦人科のほか、精神科や小児科との連携についてでございますが、相談の状況によっては小児科などの関係医療機関、他職種と連携を取り、支援を行っているところでございます。

 現在の課題につきましては、様々な不安や悩みを抱え解決が困難な場合もあり、関係相談機関や医療機関の支援や情報の共有が重要であり、早期の問題解決ができるよう、より一層連携を持ち、支援を行っていく必要があると考えております。

 今後も子育て世代包括支援センターの周知を図り、妊娠期、出産後、子育て期を通して、一人で悩まず相談機関を利用しながら安心して生活できるよう、切れ目のない支援を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。


【井上】

 よりよいセンターになることを期待しております。

 次の質問に移ります。

 幼児教育、保育には小学校に接続する教育機能としての役割を期待しています。市教委と福祉部局との連携状況についてご説明ください。これは市教委にご答弁を求めます。


【教育長】

 市教委と福祉部局との教育機能として、幼児教育と義務教育の連携を進めているところでございます。唐津市では、生涯にわたる人格形成の基礎を培う最も重要な幼児教育期間から義務教育期間への円滑な移行を図るため、唐津市幼・保・小連絡協議会を平成18年に設置いたしまして、小学校、幼稚園、保育園の代表者、保護者代表を加えて、子育て支援課、障がい者支援課で組織し、学校教育課を事務局として相互の連携などについて協議及び検討を行ってまいりました。

 協議会においては、以前からありました保育から小学校へのつながりを保育園で行いますアプローチカリキュラムと小学校1年生で受け入れて行うスタートカリキュラムを平成30年に2つのカリキュラムを合わせて接続表といたしました。その接続表を保育園、幼稚園、認定こども園、小学校に配布し活用を図っております。

 また、協議会に出席していただいている代表者の意見では、幼稚園や保育園等においては、これらのカリキュラムの取り組みを保護者が知ることで、子供の小学校入学時の不安や緊張を軽減させることができるので、さらにたくさんの方々にカリキュラムを浸透させてほしいとご意見がございました。

 今後も教育委員会と関係各課と連携して幼児教育と義務教育の滑らかな接続を図ってまいります。

 以上でございます。


【井上】

 長年にわたり連携を進めていらっしゃるということは理解できました。

 次に移ります。

 子供が病気にかかり保育所に預けられない共働き世帯の場合、病気にかかっている子供や病気からの回復期にある子供を対象とした保育は大変にありがたいです。病気の子供を対象とした保育事業で、唐津市での最大収容人数、1日の通常定員数と言ってもいいかもしれません、をお示しください。

 また、利用しやすくするための取り組みも併せて教えてください。


【保健福祉部長】 再質問にお答えいたします。

 病児保育事業の病後児対応型につきましては、市の委託事業としてNPO法人唐津市子育て支援情報センターに委託し行っております。実施場所は子育て支援センターで、専用の部屋が3つあり最大6人まで利用できます。対象者は病気の回復期にあり集団保育が困難で、かつ保護者の勤務等の都合により家庭で保育を行うことが困難な児童で、利用時間は月曜日から金曜日までの午前8時から午後5時までとなっております。利用実績については、令和元年度186件、令和2年度40件となっております。令和2年度につきましては、感染症予防対策が強化されたこともあり、新型コロナウイルス感染症以外の各疾患の罹患者そのものが減ったとのことで、利用者が減少したのではないかと考えております。

 病後児保育の土曜日、日曜日、夜間の実施については、現在のところ要望はございませんが、今後の社会情勢や保護者のニーズを把握し対応していきたいと考えております。

 そのほかに、令和4年度からは保育所等での医療的ケア児の受入れに向けて、保健師と連携を取りながら、施設と対象児童、保護者等との面談を行い、医療的ケア児の地域生活支援の向上を図っているところでございます。

 以上でございます。


【井上】 病気から快復途中の子供を対象とした保育の利用実績が主な答弁でした。病気にかかっている子供の保育事業や、保育中に熱が出るなど体調不良になったときに保育所で対応する体調不良児対応型もあります。これらの保育の利用実績や需要も細かく調べて検証する必要があると思います。

 次に移ります。

 子供の預かりなど手助けを希望する人と子育てのお手伝いをしたい人をつなげるファミリーサポートセンター事業は、市民間の相互援助を促すよい取り組みです。手助けを希望する利用会員数は2018年度、平成30年度現在で2,588人に上ります。小学校前の子供と児童の利用実績をどう分析しているのかご説明願います。


【保健福祉部長】 再質問にお答えいたします。

 子育て緊急サポートセンター事業の実績についてご説明いたします。

 この事業は、保護者の急な残業などにより一時的に子供を預かる事業でございまして、令和元年度の利用者は310人で、内訳としましては未就学児294人、小学生16人、令和2年度につきましては557人のうち未就学児505人、小学生52人となっております。

 小学生は未就学児と比較し保育の必要性が低いため、利用者が少ないと考えられます。また、令和2年度につきましては、新型コロナウイルスの流行により子供を連れての行事参加ができなくなり利用者が増加したものと考えております。

 このように、社会情勢の変化等により利用状況が変わっているものと考えられます。支援が必要な保護者が当該事業を知らずに利用できなかったということがないよう、周知に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。


【井上】

周知が必要なのは同意します。

 次に移ります。

 市内約50カ所にある放課後児童クラブの利用者数、各年4月現在の登録者数は増加傾向にあります。さきの9月議会では、保護者負担金が原則で月額3,000円から4,000円に増やした分を元手に支援員の時給が1,000円台になり、人員は9人増える予定です。

 ただ、賞与がなく、佐賀市や鳥栖市と比べると時給面で見劣りします。放課後児童クラブにも待機児童もいて、本当に必要な世帯が利用できるようにするためには、全額、半額などの免除要件を緩和したり拡充したりした上で、負担金を鳥栖市並みの1万円台を意識してさらに上げることも検討していいかと思います。それが支援員のさらなる待遇改善や、本当に必要としている世帯に届くことにつながるというふうに私としては考えます。

 市側の見解をお尋ねします。


【保健福祉部長】 再質問にお答えいたします。

 放課後児童クラブは、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、適切な遊び及び生活の場を与えて児童の健全育成を図り、保護者への子育て支援を行うものでございます。令和3年11月現在、1,951人の児童が利用しており、待機している児童は20人でございます。

 放課後児童クラブの入所決定は、入所児童の保護者と同一世帯の20歳以上65歳未満の方が留守家庭であることを確認し行っております。また、入所し、週3日以上利用がなかった場合、今後の利用状況の確認を行っております。

 保護者負担を引き上げることにより、利用状況が変わってくることは考えられます。今後、利用状況の変化に応じ、保護者の経済的負担を考慮しながら保護者負担金の改定を検討し、支援員の処遇改善や本当に支援が必要な家庭が利用できる制度となるよう改善をしていきたいと考えております。

 以上でございます。


【井上】

 この問題に関しても、私は、先手を打ってほしいと考えております。この問題は、支援員の処遇改善というのも重要なポイントの一つです。

 次に移ります。

 2019年10月、平成31年10月の保育料無償化に伴い、保育所、認定こども園(保育部分)を利用する3歳以上の子供の場合、保育料を除いた副食費、これはおかずやおやつ代が徴収されるようになりました。約2年前の唐津市の子ども・子育て会議の中で、幼稚園と保育所で実費徴収分の条件をそろえるよう要望が上がっております。

 この要望に対し、どう対応したのかご説明ください。


【保健福祉部長】 

再質問にお答えいたします。

 給食につきましては、それぞれの園が独自の運営方針により子供の健康を考え、例えば、地産地消や無農薬野菜へのこだわりなど特色を出した食育を実施されており、園により副食費の額は決められております。また、保護者の方も園を選ぶ際に、食育に力を入れているところを希望されるという場合もございます。そのようなことから、市が副食費の調整や一律に指導することは行っておりません。

 以上でございます。


【井上】

 ご参考までに内閣府の少し前の資料だと、副食費は一律4,500円、主食費は一律3,000円程度です。財源が確保できるのか私も試算していないため、一部自治体のように無償化をしてくださいとは求めません。ただ、唐津市の計画の基本目標の2つ目には「全ての子供が健やかに成長できる社会の実現」とあり、国の動向を踏まえた、今回のポイントは、子供は社会全体で育てるということです。そのことが念頭にあるのなら、もしあるとすれば、指導を行っておりませんというよりも、調整に汗をかいて寄り添う姿勢が大切だと思います。

 次に移ります。

 子ども・子育て会議の今後の在り方についてお尋ねします。

 例えば、東京都墨田区では委員公募やワークショップの開催など、活発な議論を促す仕組みが取り入れられています。2025、令和7年度から始まる計画の第3期を見据えて議論を活発にし、社会全体で育てるという機運を高めていかなければいけません。これらの仕組みも参考にしていいと私は考えております。

 市の見解をお尋ねします。


【保健福祉部長】 

 唐津市子ども・子育て会議では、子ども・子育て支援事業計画の策定や変更及び子育て支援施策の実施状況について調査・審議を行う機関であるため、子供の保護者、子ども・子育て支援に関する事業への従事者、学識経験者、地域関係者等の方々に委員として参画いただいております。委員の選考につきましては、バランスよく幅広い関係者で構成するよう求められていることに加え、地域の子供及び子育て家庭の実情に精通していることに重点を置くべきとの考えから、公募による選考は実施していないものでございます。

 現在、委員構成については、様々な立場の視点からご意見を頂ける構成になっているものと考えております。

 また、ワークショップの開催には、行政によるアンケート調査等では把握しにくい潜在的なニーズを掘り起こす機会にもなり得るため、その必要性については委員の皆様のご意見、ご提案を伺いながら多くの方々のご意見を反映させることができるよう、第3期の計画策定に向けて議論させていただきたいと思っております。


【井上】 

第3期に向け、活発な議論と多様な意見の反映を期待しています。

 次に移ります。

 障がい者相談支援センターによる療育相談事業をはじめ、障がいのある子供のためのいわゆるインクルージョン教育の現状についてご説明ください。


【保健福祉部長】 お答えいたします。

 まず、障がい者相談支援センターで受けました障がいのある子供に対しての相談内容でございますが、そのほとんどが、発達が気になる子供についての児童発達支援や放課後等デイサービスなどの事業所の案内の相談となっております。令和2年度においては24件の相談を受けておりまして、保健師や保育所等の職員と連携を取りながら相談、支援を行ったところでございます。

 また、令和2年度から巡回相談支援事業を実施しておりまして、発達障害等についての知識を有する専門員が保育所等を定期的に巡回し、保育所等の職員や保護者に対し発達が気になる子供への接し方、早期療育に向けた助言や福祉サービスなどの情報提供を行っております。令和2年度の実績につきましては、市内の保育所等25施設を延べ58回訪問し、延べ164人の児童について助言や福祉サービスなどの情報提供を行ったところでございます。

 障がいのある子供のためのインクルージョン保育の現状についてですが、心身に障がい、または発達遅延のある児童を保育所等に受け入れ、健常児とともに保育を行っている施設は令和2年度で22園ございました。保育所等における障がいのある子供の受入数は年々増加しているところであり、一人一人の子供の発達過程や障がいの状況を把握し、適切な環境の下で家庭や関係機関と連携した支援の一層の充実に努めたいと考えております。


【井上】

障がいがある子供を受け入れる環境が徐々に整ってきているということが分かりました。

 再質問の最後です。

 子育てで有名な兵庫県明石市の計画では、基本理念に「すべてのこどもたちを まちのみんなで こども目線で 本気で応援」を掲げて特色ある事業を展開し、人口増や税収アップにつなげています。また、同じく子育てで有名な北海道千歳市は、子ども・子育ての視点の一つとして、子育て世代から選ばれる町を目指すとして、都市間競争に子育てで勝つという意欲を明確にしています。

 学問の分野でも、子育て支援が働きたくても働けない女性の労働参加を後押しし、経済効果の面からも重視する研究があります。子育てに寄り添う唐津を掲げる市長として、今後、子育て支援を、例えば、総合計画の中や第3期の支援計画の中でどう位置づけて進めていくのかお尋ねします。


【市長】

 井上議員の再質問にお答えいたします。

 私の2期目の公約の中で、「6つのからつ力」の中で、安心力といたしまして「子育てに寄り添う唐津」を掲げさせていただいておりますが、安心して住み続けられるまちを目指す上で子育て環境の充実は重要な柱であると認識をしております。唐津市第2期子ども・子育て支援事業計画におきましても、子供を産み、育てやすいまちづくりを基本理念に掲げ、次代を担う子供たちが元気に生まれ、健やかに成長される社会の実現に向けて様々な取り組みを進めているところでございます。

 その中でも、妊娠期から子育て期にわたり、子供の成長に合わせた切れ目のない支援を展開しておりまして、子育て世代包括支援センターの取り組みにつきましては、先ほど議員よりご案内いただきましたとおり、厚生労働省のホームページにおきまして事例として紹介をされております。

 また、保育人材確保事業におきましては、市長就任後いち早く取り組みをし、待機児童の解消に努めてまいりました。子育ての基本が家庭にあることはいつの時代も変わりませんが、子供と子育て家庭を取り巻く環境は変化をし続けており、様々な子育ての不安や悩みを抱えられている家庭は増えていると思っております。そのような状況の中、子育てが喜びであり、また楽しみであることを実感でき、お一人お一人の子供が心身ともに健やかでたくましく育つことができる地域社会の実現に向け、今後も子供を産み育てやすいまちづくりを基本に子育てに寄り添う唐津を推進してまいりたいと考えております。

 先ほどご指摘いただきました明石市、また千歳市に負けないような唐津市の体制を取ってまいりたいというふうに考えております。

 以上です。


【井上】

 明石市、千歳市に負けない体制ということで、非常に前向きなご答弁ありがとうございました。

 子育て支援は、一般的に自治体間で差が開きやすい分野です。都市間競争に子育てで勝つ姿勢を宣言している千歳市に言及しましたが、北部九州でもアジアのリーダー都市を標榜する福岡市、高いブランド力を誇る隣の糸島市、先進自治体として知名度を上げている武雄市、独自の経済圏がある佐世保市など、ライバルが多いと考えています。

 隣接する佐賀市では、今年10月に40代の市長が誕生し、子育てを公約の柱の一つとしており、今後も激しい都市間競争が待っています。一般質問を通して子育ての担当分野には優秀で意欲ある人材が多いことが私なりに理解できました。

 以上で、一般質問を終わります。

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